【連載第1回】Web制作|仕事が途切れにくい進め方:「集客」より「設計」

Web制作|仕事が途切れにくい進め方

カイエダ

カイエダです。
私がWeb制作の仕事を始めてから、20年以上の月日が経ちました。
独立した2007年から、波はありつつも仕事が完全に止まってしまう状態は避けてきました。
ですが新しい技術がどんどん出てくるWeb業界において、同業者が多いとか技術不足…と考えすぎてしまって、仕事を続けていくことが難しいと感じる方も多いようです。
そこで今回から数回に渡る連載で、Web制作に携わる方に向けたアドバイスをしてみたいと思います。

仕事を途切れさせないコツは「集客」より「設計」

「仕事を途切れさせずに続けたい」。
Webデザイナーでもディレクターでも、これはずっとついて回るテーマだと思います。
制作の腕を磨けば何とかなる、と信じて頑張ってきたのに、なぜか波が大きい。
忙しい月と、静かな月の差が激しい。
そういう状況に心当たりがある方は多いはずです。

ただ、ここで一つ整理しておきたいのは、仕事の波は「実力不足」だけで起きるものではない、ということ。
もちろんスキルは大切です。
でも、仕事が途絶えない人は、スキル以前に“波が小さくなる仕組み”を先に持っています。
今回はその考え方を、できるだけ現実的にお話しします。

仕事が途切れる不安は、実力より“構造”の問題です

仕事が途切れやすい状態って、よく見ると「新規に頼りすぎている」ことが多いです。
新規が取れないとゼロになってしまう構造だと、どれだけ頑張っても不安は消えません。
逆に言えば、仕事が続いている人は、必ずしも「営業が強い人」ではなく、構造としてゼロになりにくい形を作っています。

カイエダ

かく言う私も、ダイレクトに営業を頑張ったわけではありません。
お客様が進んでやってきてくれる道筋を、地道に作って整えてきました。

ここでいう構造は、派手なテクニックというより、地道な整え方の話です。
魔法の話ではありません。

たとえば

  • 「毎月一定の収入が見込めるものがある」
  • 「制作が終わった後も関わりが続く形がある」
  • 「新規は必要なときに拾える入口だけ整えてある」

この3つが揃うと、気持ちがかなり楽になります。
焦って条件が合わない案件に飛びつかなくて済むからです。

波を小さくする3つの箱(役割分担)

私は、収入や仕事の種類を「3つの箱」に分けて考えると整理しやすいと思っています。
ポイントは、全部を同じ扱いにしないことです。
役割が違うので、進め方も変わってきます。

この考え方にしてから、少なくとも私は「今月どうしよう」という揺れが小さくなりました。
派手な施策を増やしたというより、仕事の組み立てを整えた感じです。

1)土台の箱:生活を守る仕事

まず、生活を守るための土台です。
ここは綺麗ごと抜きで大事です。
私はいま、毎月ある程度の稼働が見込める「固定の仕事」を軸にしています。
制作の受注状況に左右されにくい「安定稼働」を先に確保している、ということです。

この土台があると、精神的にかなり安定します。
新規が静かな月でも、焦って動かなくて済むからです。
焦りが減ると、判断の精度が落ちにくくなりますし、条件が合わない案件に無理に乗って疲弊することも減っていきます。

土台の作り方は人それぞれでかまいません。
週に数日の固定稼働でも、定期的に回る運用の仕事でも、毎月の最低ラインが読める形なら十分です。

大事なのは、土台があることで「新規を追い続けないと詰む状態」から抜けられることです。
土台が整うと、次に考えるべきは「終わらない関わり方」です。
ここがあると、波がさらに小さくなります。

2)継続の箱:終わらない関わり方

次に、制作が終わった後も続く仕事です。
保守、更新、バックアップ、監視、小さな改善など、呼び方はいろいろありますが、要は「その場限りで終わらない形」。

ここがあると、波が小さくなります。
しかも、継続の仕事は「新規を取り続ける」より再現性が高いです。
一度信頼関係ができた相手に、必要な形を整えて差し出すだけなので、無理が少ないんです。

もちろん、継続は勝手に増えるものではありません。
「何をしてくれるのか」が曖昧だと、相手は断る以前にイメージできません。
だから「言葉にして見える形にする」ことが鍵になります。
ここは次回以降で具体的に掘ります。

3)新規の箱:必要なときに拾える入口

最後が新規です。
ここで注意したいのは、「新規を増やす」より「新規を取りこぼさない」が先、ということです。

毎日発信し続けるのが得意な人もいますが、全員がそれをやる必要はありません。
必要なときにちゃんと問い合わせが入る「入口」が整っていれば十分です。
実績の見せ方、依頼の流れ、料金の考え方、連絡手段。
このあたりが整っているだけで、新規の質が上がります。

今できる最小の一手:今の仕事を箱に仕分けする

ここまで読んで、「なるほど」と思っても、やることが多すぎると動けません。
ですので今回は「最小の一手」だけ提案します。

提案:今の自分の仕事や収入を「3つの箱」に仕分けしてください。

土台・継続・新規。
金額が分かるなら、ざっくりでもいいので月あたりを書きます。
数字が出ると、感情が落ち着きます。
逆に数字がないと、人はだいたい最悪の想像をします。
想像力が豊かな人ほど、不利です。

仕分けをすると、課題が見えてきます。

  • 「土台が薄いなら、今は新規を追うより土台を固めたほうがいい」
  • 「継続が弱いなら、既存客に“続ける形”を提案できる余地がある」
  • 「新規が弱いなら、発信より先に入口を整えたほうが早い」

こういう判断ができるようになります。

まとめとして

続ける力は、気合いより設計です

仕事を途切れさせないために必要なのは、気合いでも、毎日の猛烈な発信でもなく、「ゼロになりにくい設計」です。
土台があって、継続があって、新規は入口だけ整える。
この役割分担ができると、波は確実に小さくなります。
忙しい月と静かな月の差に疲れている方ほど、今回の提案である「仕事を箱に仕分けて考える」だけで、次の一手が見えやすくなります。

カイエダ

次回は、「仕事が減る前に出るサイン」と「軽い順の対処」を扱います。
大きく動けないときほど、軽い打ち手が効きます。
焦る前に、先に手当てしていきましょう。