したたかリフレーミング (8)「私はもう必要とされないかもしれない」という感覚
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カイエダです。
長く仕事に向き合ってきた方の中には、ふとした瞬間に「私は今も、必要とされているのだろうか」と不安を感じる方がいらっしゃるかもしれません。
この記事は、そんな不安を抱えるあなたに、少しでも心が軽くなるようなヒントをお届けしたくて書いてみました。
この記事の目次 [表示]
はじめに
年齢や経験を重ねてこられた方の中には、仕事に誇りを持っていればこそ、「誰かに必要とされている」という実感が、ご自身の存在価値に直結してしまうことがあります。
これは、表立って語られることの少ない感情かもしれませんが、専門家として、常にクライアントの課題解決に尽力している方ほど、この感情は強く表れる傾向があるのではないでしょうか。
つまり、ご自身の存在価値が「必要とされている」ことに直結し過ぎてしまうと、「必要とされていない」と感じてしまうことや、時としてそういう現実と立ち向かった時、耐え難い苦痛となってしまう恐れがあるからです。
ですがこれは決して、ネガティブな感情ではありません。
むしろ、これまでの仕事に真摯に向き合ってきた証であり、プロフェッショナルとしての責任感の表れとも言えます。
必要とされたいという気持ちは、悪いものではありません
人に頼りにされたり、「ありがとう」と感謝されたりすることは、それ自体が励みとなり、自信を支えてくれるものです。
それまでに積み重ねてきた信頼や評価は、かけがえのないものであるのは確か。
その記憶があればこそ、困難な時期もなんとか乗り越えてこられた方も多いことでしょう。
例えば、予期せぬトラブルが発生した際、深夜まで対応にあたったり、複数のプロジェクトが同時進行でスケジュールがひっ迫する中でも、質の高い成果物を納品するために尽力したりと、数々の壁を乗り越えてきたはずです。その一つ一つの経験が、あなた自身の血となり肉となって、今のあなたを形作っているのです。
必要とされたいという気持ちは、承認欲求などとひと括りにされがちですが、それはむしろ「誰かの役に立ちたい」「寄り添いたい」と願う、優しさの表れでもあるんです。
すべて誰かの役に立ちたいという純粋な気持ちから生まれています。
その気持ちが苦しくなる瞬間も
たとえば、SNSで誰かが華やかに活躍している様子を目にしたとき。
キラキラした成功体験や、最新の技術動向にいち早く対応している同業者の投稿を見ると、「自分は置いていかれているのではないか」「もっと新しいことを学ぶべきなのではないか」と、焦りを感じてしまうこともあるかもしれません。
以前は届いていた感謝の言葉や依頼のメッセージが、少しずつ減っていると感じたとき。
新規の問い合わせが少なくなったり、既存のお客様からの依頼が減ったりすると
「もう私はいらないのではないか」
「必要とされていない自分には、価値がないのではないか」
と、心の奥に冷たい影が差すような感覚にとらわれることがあるかもしれません。
特に一人で活動されている方にとっては、こうした変化は売上に直結するため、より一層の不安を感じるでしょう。
表向きには平静を装っていても、内心では深く傷つき、自信を失いかけていることもあるはずです。
それでもなお、誠実でありたいと思うからこそ、誰にも打ち明けられず、一人きりで抱えてしまうこともあるかもしれません。
これは、あなたの心がとても繊細で、周囲の状況を敏感に感じ取っている証拠でもあります。
しかし、その繊細さが、時にあなた自身を苦しめてしまうこともあるのです。
あなたの業界でも、常に新しい技術やサービスが登場しているのでしょう。
そのため、常に学び続け、スキルアップしていくことは非常に重要です。
ですが、それが「必要とされ続けるための義務」になってしまうと、精神的な負担が大きくなってしまいます。
新しい技術を学ぶことは、もちろん素晴らしいことです。
とはいえ、それと同時にこれまで培ってきた経験や知識、そしてあなた自身の「個性」が、何よりも価値があることを忘れてはいけません。
自分の存在価値を、“誰かに必要とされているかどうか”だけに委ねすぎないために
この感情とどう向き合えばよいのかは、とても繊細な問いです。
「執着を手放せば楽になる」といった簡単な話では済まないことも、多々あるでしょう。
これまで多くの時間と労力を費やし、積み上げてきたものが「必要とされない」と感じることは、これまでの努力が否定されるような感覚に陥ることもあります。
けれど一つ言えるのは、必要とされたいという気持ちそのものは、大切にしてよいものだということです。
この気持ちがあるからこそ、私たちはより良いサービスを提供しようと努力し、お客様のために全力を尽くすことができます。
この気持ちは、あなたの仕事に対する真摯な姿勢の表れであり、決して否定されるべきものではありません。
問題は、それを“自分のすべて”にしてしまうと、ほんの少し状況が変わっただけで、大きく揺らいでしまうということです。
例えば、特定のクライアント様からの依頼が減っただけで、「自分はもうダメだ」と極端に考えてしまうような状態です。
それはまるで、一本の細い綱の上を歩いているようなもので、少しの風でバランスを崩してしまう危険性があります。
だからこそ、必要とされることは喜びとして受け取りつつも、「そうでない時間にも、自分を認めてあげられる視点」を、少しずつ増やしていくことを、目標の一つに加えられると、とてもいいと思います。
これは、ご自身の内面に目を向け、仕事以外の価値観を見出すことにも繋がります。
「したたかリフレーミング」で視点を変えてみましょう
ここで、「したたかリフレーミング」の考え方を活用してみましょう。
「したたかリフレーミング」とは、一見ネガティブに思える出来事を、別の角度から捉え直し、違う意味付けをする思考法です。
例えば、「最近、問い合わせが減ったな」と感じたとき、これを「必要とされていない」と捉えるのではなく、「新しいことに挑戦する時間ができた」「既存のお客様との関係をより深くするチャンスだ」とリフレーミングしてみるのです。
業界の動向をじっくり研究したり、以前から興味のあった新しい分野の技術を習得したり、あるいは趣味の時間をもっと充実させたりするのも良いでしょう。
「以前は頻繁に連絡があったのに、最近は連絡が少ない」と感じた場合も、「私の仕事が安定していて、信頼されているからこそ、必要以上に連絡が来ないのだ」と捉えることもできます。
これは、相手があなたを信頼しているからこそ、細かな指示を出す必要がない、と解釈することも可能です。
このように、意識的に視点を変えることで、心の負担を軽減し、新たな行動へと繋げることができます。あなたはこれまで培ってきたスキルと経験があり、それは決して古くなるものではありません。
時代に合わせて使い方を変えたり、新しい技術と組み合わせたりすることで、無限の可能性を秘めているのです。
まとめとして
仕事は、時に人生そのものになります。
それゆえに、結果や反応に一喜一憂し、必要とされることに心を支配されてしまうこともあるかもしれません。
しかしながら、「役に立たなくなったら終わり」ではないと、どこかで自分に言い聞かせてみることも、大切なことです。

必要とされることも大切。
もし「もう必要とされなていないのかも」と感じたとしても、自分を認めてあげられる時間を少しずつ増やしていけたら…!
そうした視点が芽吹いたとき、仕事との関係も、ほんの少しだけ優しいものに変わっていくはずです。