【エピソード20】アルバムレビュー『ALMIGHTY』ALFEE(THE ALFEE)

2025年5月9日Music & Artists

【景品表示法に基づく表記】本サイトのコンテンツには、商品プロモーションが含まれている場合があります。


【エピソード20】アルバムレビュー『ALMIGHTY』ALFEE(THE ALFEE)
カイエダ

カイエダです。
今回は、1981年10月21日にリリースされた、THE ALFEEの転換期に生まれた『ALMIGHTY』をご紹介します。
スタジオとライブを融合させた構成の本アルバム。
王子の全作詞作曲による、情熱が詰まった唯一無二の一枚です。1ファン視点からレビューします。

『ALMIGHTY』概要

1981年10月21日――Alfeeがフォークグループからロックバンド「THE ALFEE」へと進化する、その“はざま”で生まれたのが、アルバム『ALMIGHTY』です。

全11曲すべてが高見沢俊彦さん(以降、私のブログでは「王子」)の作詞・作曲。まだ荒削りで、でも確かに研ぎ澄まされ始めた感性が詰まっていて、何とも言えない“これから始まる予感”が漂います。

しかもこのアルバム、ただのスタジオ盤ではありません。A面は「SPADE SIDE」と題されたスタジオ録音、B面は「HEART SIDE」として観客を招いたスタジオライブ音源が収録されていて、ALFEEの「作る音」と「届ける音」の両方を体感できる、ちょっと特別な一枚なんです。

初のオリコンチャートイン作品となり、まさに「アルフィーの新章がここから始まった」と言える1枚。タイトル通り、あらゆる顔のTHE ALFEE=“オールマイティー”が詰まったアルバムです。

ALMIGHTY ALFEE

1曲目「MEET THE ALFEE」から、まさに“ここから始まります”という王道な幕開け。ポップで軽やかなのに、しっかり胸に響く――初めて聴いたとき、意表をつかれました笑。BE∀T BOYSにもこの手のBee Geesっぽい曲ありますよね。
「この人たち、ただものじゃない」と直感しました。

A面「SPADE SIDE」は、フォーク調の曲もあれば、エレキの香りが漂う曲もあり、当時としては少し冒険的だったのかもしれません。けれどその一歩こそが、THE ALFEE御三方がその後歩む道を指し示していたんですよね。

そしてB面「HEART SIDE」は、まさかのスタジオライブ。これが本当にいいんです。
当時の空気感が伝わってきて、聴いてるうちにまるでタイムスリップしたような気持ちになるんです。
観客の息遣いや、メンバーの温度が感じられて、音源というより“記録”に近い尊さがあります。

中でも「挽歌」は圧巻。
勢いがあります。迫力が美しいです。あのときのTHE ALFEEだからこそ出せた音、あの年齢だからこそ唄えた詞、そんな“瞬間の奇跡”が詰まっています。

『ALMIGHTY』収録曲&勝手なコメント(#1~5がA面、#6~12がB面)

全作詞・作曲: 高見沢俊彦
編曲#1〜5:アルフィー with 井上鑑
編曲#6〜12:アルフィー

  1. MEET THE ALFEE
    …🤓さんリードボーカル。🤓さんのBee Geesみたいなファルセット!アルバムの幕開けにふさわしい、軽やかでポップなチューン。ベースが意外といいですよね。これディスコですよね。「はじめまして」の意味も込めたようなこの一曲は、まさに“ここからTHE ALFEEが始まる”という宣言。王子のソングライターとしての可能性がグッと開花したことを感じさせます。イントロから耳に残る親しみやすさが嬉しいです。
  2. ロンリー・ガールを抱きしめて
    …🤓さんリードボーカル。1曲目から一転。甘く切ないメロディに乗せたラブソング。タイトル通りどこか不器用で、でも真剣な想いが伝わってきて、聴いていると胸がきゅっとなります。後年の再録音ではより洗練されたアレンジになりますが、この頃の荒削りなままの感情もとても愛おしい。
  3. 気分はロックン・ロール
    …😎さんリードボーカル。ロックンロールなのかな?雨から始まる曲で優しい雰囲気です。割とポップに聴こえるのですが、それは今聴いているからなのかな…。アルトサックス&テナーサックスが入ったりもするので、当時こういう展開が流行っていたんでしょうね。コーラスがとても美しいです。後半で謎のラジオ風?SEが入ります。
  4. 回想
    …👩‍🦰さんリードボーカル。なんでこんな悲しく歌えるの?寂しく歌えるの?と言うくらい、王子のボーカルはものすごく切ないです。とはいえ!間奏ではアコギではなくエレクトリックギターでのソロ!とうとう来ましたね。王子の真骨頂が…!
  5. SAVED BY THE LOVE SONG
    …😎さん🤓さん👩‍🦰さん御三方スイッチボーカル。フォーク調で始まるのですが、プログレです。コーラスが美しいですね…。途中でエレクトリックギターが叫んでますね^^。今のTHE ALFEEにも繋がる1曲。ファンの方のコメントを見ると、ライブによってアレンジが変わる曲だそうです。長尺でドラマティックです。THE ALFEEのスケール感と演奏力が凝縮されています。
  6. CATCH THE WIND
    …😎さん👩‍🦰さんスイッチボーカル?。B面、HEART SIDEのスタートを飾るこの曲は、爽やかな風を感じるようなアコースティックナンバー。ライブ感あふれる演奏と、手拍子がなんかいい感じ…。観客の空気を感じさせる録音が、聴く人の心を軽やかにしてくれます。このアルバムでしか聴けない貴重な一曲。🤓さんの掛け声で手拍子が変わるのが、なんかファンとの繋がりを感じます。
  7. Feeling Love
    …👩‍🦰さんリードボーカル。女性のような艶やかな声。そのタイトル通り、“恋してる感じ”が音に宿っている軽やかで優しい曲。けれども甘いだけじゃない、ちょっと切なさも感じるあたりが絶妙です。まるで春の風に吹かれてふと昔の恋を思い出したような気持ちになります。最後のFeeling Love〜の終わり方が綺麗✨
  8. さすらい酒
    …😎さんリードボーカル。😎さんの美しい声を堪能できるいい曲です。イントロのブルースハープ(きっと🤓さん演奏)がいい味です。中間でも無茶苦茶メインです。異色の演歌テイスト曲!なのに違和感ゼロなのがすごい。若さゆえの哀愁と、どこか大人びた歌詞が合わさり、意外なほど深い情緒を生んでいます。今聴くと、むしろこの時期の彼らにしか出せなかった味わいが詰まった傑作です。ライブで歌っていらっしゃるお姿を映像で見ましたが…すごくお似合いですよね^^
    この時代、まだ演歌はヒットチャートにちゃんと入っていた時代ですしね。こんなに感情込められるんだってくらい、乗りに乗ってる感じ。
  9. 水曜の朝午前3時
    …😎さん🤓さんスイッチボーカル。🤓さんの3フィンガー奏法が冴え渡る、静謐で美しい楽曲。この曲が好きな人は多いはず…!夜更けのラジオからふと流れてくるような、時間帯まで感じられる“空気”のある曲。オールナイトニッポンとか1部は午前3時で終了でしたから、もしかしたらこの頃🤓さんはDJをやっていらっしゃったのかな?あ!所さんがやっていらっしゃる!このあと1982年から坂崎さんがDJ引き継ぐんですもんね^^。MCが入っていて嬉しいですね〜。
  10. 踊り子のように
    …👩‍🦰さんリードボーカル。しっとりとした叙情的なメロディに、舞台の上で舞う踊り子の姿が浮かんできそうな、映像的な美しさを感じます。ちょっと歌謡曲っぽくもありますね。踊り子っていうくらいなのでギターがいいですね!恋や孤独、芸術と人生…そんなテーマをふんわり包み込むような、優しくも芯のある一曲。
  11. 挽歌
    …😎さん🤓さんスイッチボーカル。ライブを締めくくるにふさわしい、圧倒的な迫力を持った名曲。スタジオライブならではの緊張感と熱量がそのまま詰まっていて、聴いているとまるでその場にいるような気持ちになります。後の「別れの律動」へとつながる布石としても重要な一曲であり、ALFEEの“変わらぬ真摯さ”を象徴する存在です。🤓さんの掛け声がいい〜〜〜!
  12. MIDNIGHT BOXER
    …🤓さん👩‍🦰さんスイッチボーカル?。「挽歌」に被せるように入ってくるこの曲。アカペラの美しい曲です。

全体的な感想

このアルバム、とにかく“まじめ”なんです。ふざけたようでふざけていない、遊んでいるようで魂こもってる。MCで笑わせたあとに、涙腺を直撃してくる歌が始まる。そのギャップに撃ち抜かれた方、私だけじゃないはずです。

「SAVED BY THE LOVE SONG」は、まるで音で描かれた青春小説みたい。じっくりと聴いているうちに、あの頃の自分や、言葉にできなかった感情たちがふわりと甦ってきます。

そして「さすらい酒」――これを聴いて泣けなかった人、いるでしょうか?若さという無防備な刃を、音楽で差し出すような、ある種の“裸の表現”。演歌調の一曲が、まさかアルバムの中でこんなに深い役割を果たすとは…まさに『ALMIGHTY』の真骨頂です。

音楽ファンとして言わせてください。このアルバムがなければ、今のTHE ALFEEは生まれていなかった、と。フォークとロックの間で揺れ動きながら、それでも全力で“自分たちの音”を探した痕跡がここにはあります。

それがこんなにも美しいって、すごいことだと思いませんか?

カイエダ

ファンとの距離が近い!という雰囲気が強く伝わってくる、どこか安心するアルバムでした。今や、アリーナやホールクラスでしか演奏しない大スターですが、THE ALFEEはライブハウスやスタジオでライブを行っていた頃の距離感を、未だ感じさせてくれる貴重なスターだと思います。とか言って、まだライブ未参戦です。すみません。

NEXT►【エピソード21】アルバムレビュー『doubt,(ダウト)』ALFEE(THE ALFEE)

ALFEE(THE ALFEE)のアルバムレビューを続けます(安全地帯と時期を合わせるために)。次回はALFEEのスタジオアルバム第5作目『doubt,(ダウト)』をレビューします。

【エピソード21】アルバムレビュー『doubt,(ダウト)』ALFEE(THE ALFEE)
1982年4月21日にリリースされたALFEEの5枚目のスタジオアルバム『doubt,(ダウト)』をご紹介します。フォークからロックへ――揺れ動くALFEEの音楽的転換点を刻んだ『doubt,』。切なさと力強さが交差する珠玉の一枚です。

カイエダからのプレゼントです▼

まずはLPについて知りたい方向けに

あなたの世界観で反応が出る、売上を3倍にしたランディングページBasicテンプレート

かっこいい「箱」をなるはやで用意する

とっととLPを作って、ビジネスを開始