【エピソード26】アルバムレビュー『FOR YOUR LOVE』ALFEE
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カイエダです。
やっと1985年のアルバムまできましたー笑
この記事では、THE ALFEEさんの9枚目にあたるオリジナル・アルバム『FOR YOUR LOVE』(フォー・ユア・ラヴ)をレビューしてみます。
この記事の目次
『FOR YOUR LOVE』概要
この『FOR YOUR LOVE』(フォー・ユア・ラヴ)は、ALFEEさんの9枚目にあたるオリジナル・アルバムとして、1985年6月19日に世に出ました。
1985年…といえば、日本はバブル絶頂期。もう1つの推しバンド安全地帯も1985年にこちらのアルバムをリリースしています。本当に同時期に売れに売れていたバンドだったんですね…。
特筆すべきは、ALFEEさんのフルアルバムの中で唯一、シングル曲が含まれていない作品でありながら、なんとオリコンチャートでアルバム1位を獲得したという、まさに伝説的なアルバムなんです。
シングル曲なしでこれだけの成果を出すなんて、当時のALFEEさんの勢いと、このアルバム自体のクオリティの高さがうかがえます。
『FOR YOUR LOVE』収録曲
このアルバムに収録されている全9曲は、全て高見沢さんが作曲を手掛けられています。
どの曲もALFEEさんの世界観がぎゅっと詰まっていて、本当に素晴らしいです。
- AFFECTION
(作詞:高見沢俊彦 / 編曲:ALFEE)
…😎さん🤓さん👩🦰さんスイッチボーカル。軽快なロックチューン。なんかとってもALFEEさんらしい曲のような?気が?します。明るいメロディ&歌詞で^^ - 真夏のストレンジャー
(作詞:高見沢俊彦・高橋研 / 編曲:ALFEE)
…😎さんリードボーカル。この曲は、シングルカットされていないのに「全日空夏の北海道キャンペーン」のCMソングに起用されたと聞いて、その当時からこの曲が持っていたパワーに胸が熱くなりました。プロモーション用のシングルがテレビやラジオ局、有線に配布されただけだったらしいのですが、なんと『ザ・ベストテン』ではハガキによるベストテンで第5位にランクインするという快挙を成し遂げたそうです。ファンの方々の熱い想いが、この曲を押し上げたんでしょうね。夏の午後の、ちょっとけだるくて、でもどこか切ない匂いがするような、そんな情景が目に浮かぶ一曲です。桜井さんのボーカルが、もう本当に色っぽくて、聴いていると胸が締め付けられます。 - あなたがそばにいれば
(作詞:高見沢俊彦 / 編曲:ALFEE)
…👩🦰さんリードボーカル。この曲は、ALFEEさんがまだライブハウスで活動されていた頃から演奏されていた楽曲で、当時のタイトルは「あなたがいれば」だったそうです。初期の叙情的なフォークのメロディーがありながら、ALFEEさんの進化を感じさせるような、メタル的なアプローチで曲の雰囲気がさらに盛り上がる展開に、本当に感動しました。違和感なく激しい感情がほとばしるかと思えば、その後の展開へと感動的につながっていくという、高見沢さんのソロが本当に心に響きます。聴いていると、まるで映画を見ているかのような壮大な気持ちになるんです。 - SWEET HARD DREAMER
(作詞:高見沢俊彦 / 編曲:ALFEE)
…😎さんリードボーカルのスピードメタルナンバー!『ALFEE’S LAW』や『THE RENAISSANCE』から3作連続で収録されたらしいのですが、😎さんのヴォーカル曲の中でも屈指の高音曲だそうです。レコーディングの際には👩🦰さんからなかなかOKが出ず、😎さんが上半身裸になって絶叫しながら歌ったという逸話があるなんて、もう、その情熱と迫力に鳥肌が立ちます。😎さんの魂の叫びが、聴いている私にもビシビシ伝わってきて、思わず一緒に叫びたくなります(笑)。 - 裏切りへの前奏曲(プレリュード)
(作詞:高見沢俊彦 / 編曲:ALFEE with 井上鑑)
…😎さんリードボーカル。この曲は、1988年に公開された日中合作映画『孔雀王』のテーマ曲として、ボーカルが英語に差し替えられた英語ヴァージョン「FOR YOUR LOVE」が採用されたそうです。この英語ヴァージョンは、当時発売されたサウンド・トラック盤だけの収録だったため、長年入手困難だったらしいのですが、2013年に発売された『TIE-UP 〜Collaboration History〜』に収録されたとのこと。ドラマチックな構成で、聴き応え抜群です。まさに、一聴の価値あり! - SLOW DANCER (作詞:高見沢俊彦 / 編曲:ALFEE)
…😎さん🤓さんスイッチボーカル。私結構イントロやギターソロが好きです。この曲は。 - あなたの歌が聞こえる
(作詞:高見沢俊彦 / 編曲:ALFEE with 井上鑑)
…👩🦰さんリードボーカル。レコードに収録される前は「From Radio」というタイトルでライブで歌われていたと聞いて、その情景を想像するだけで胸がキュンとします。👩🦰さんは映画音楽をイメージして作ったと語っていたようです。先ほどご紹介した「真夏のストレンジャー」のプロモーション盤B面にも収録されたと聞いて、この曲が当時から大切にされていたことがわかります。最上級のアコースティックナンバーという言葉がぴったりで、心にそっと寄り添ってくれるような、温かくて優しいメロディーに癒されます。 - 恋の炎
(作詞:高見沢俊彦 / 編曲:ALFEE)
…🤓さん👩🦰さんスイッチヴォーカルによるHM/HRナンバー!「ラジカル・ティーンエイジャー」以来、坂崎さんの後輩である東京都立墨田川高等学校フォークソング同好会のメンバーによるコーラスが収録されているそうです。ALFEEさんの楽曲には、こういった素敵なエピソードがたくさんあるんですね。力強さと繊細さが同居する、ALFEEさんならではの魅力が凝縮された一曲だと感じました。 - 確かにFOR YOUR LOVE (作詞:高見沢俊彦 / 編曲:ALFEE)
…👩🦰さんリードボーカル。あま〜い👩🦰さんの歌、いいです〜〜〜。こういうアコースティックができるのがALFEEさんの魅力ですよね。
『FOR YOUR LOVE』の感想
初めて『FOR YOUR LOVE』を聴いてみて、まず感じたのは「これがALFEEなんだ!」という、圧倒的な存在感でした。
フォークグループからスタートした彼らが、突然変異のように「ALFEE」へと進化を遂げた、その根幹とルーツは変わっていないという想いが込められたアルバムだと知って、なるほど!と合点がいきました。
特に印象的だったのは、「あなたがそばにいれば」と「確かにFOR YOUR LOVE」の2曲でした。
「あなたがそばにいれば」は、初期のALFEEさんの叙情的なフォークのメロディーを保ちながらも、進化を遂げたALFEEさんならではの表現力で、曲の雰囲気をさらに盛り上げる展開に心を奪われました。
メタル的なアプローチが違和感なく溶け込み、感情のほとばしりが感動的に次の展開へと繋がっていくのは、まさに高見沢さんの熟考された作曲センスの賜物だと感じます。
そして、「確かにFOR YOUR LOVE」では、一見すると過去のフォークサウンドを思わせるのですが、そこには現代的なメロディーが巧みに織り込まれていて、ALFEEさんの進化が過去への決別ではなく、必然であったことを証明しているように思えました。
このアルバム全体を通して、ALFEEさんがただ変わっていったのではなく、これまで培ってきたものを大切にしながら、より高みを目指して進化し続けているんだという、その情熱と矜持を感じることができました。
このアルバムを聴くと、本当に「ごった煮アルフィーの真骨頂」という言葉がぴったりだと感じました。
シングルヒットを連発していた当時の人気ぶりを裏打ちするかのように、あえてシングル曲なしでリリースされた完全オリジナルアルバム。フォーク、ハードロックといった多様な音楽性を消化し、さらに進化しようとする彼らの期待を一身に背負ってリリースされた『FOR YOUR LOVE』は、まさに研ぎ澄まされた一枚です。
一つ一つの曲の完成度の高さには、ただただ驚かされます。
どの曲も「埋もれないぞ!」という個性がプンプンしていて、聴けば聴くほど味が出てきます。
アレンジがしつこいわけではなく、それぞれの曲が持つ魅力を最大限に引き出しているんです。
全ての曲がシングル曲のように聴こえてきます。
中でも、やはり「真夏のストレンジャー」と「あなたがそばにいれば」は、ALFEEさんの歴史に残すべき名曲だと強く思いました。
「あなたがそばにいれば」の歌詞には、60~70年代に青春時代を過ごしたであろうALFEEさんの三人のノスタルジーが込められているように感じました。
フォークではないアプローチで、重厚なコーラスと爽やかなメロディーが織りなすハーモニーは、まさにALFEEさんでしかなし得ない曲だと感じます。メロディーと歌詞の美しさもさることながら、サビの「あなたがそばにいれば~」は、一度聴いたらもう口ずさんでしまうほどのキャッチーさです。
一方、「真夏のストレンジャー」は、桜井さんの色が前面に出たミドルテンポのロック。
咽かえるような湿り気を帯びたこの雰囲気は、ALFEEさんの曲の中でも他に類を見ない唯一無二の存在感を放っています。
真夏の午後の匂いを感じさせるような、なんとも言えない切なさが漂っていて、聴くたびに色々な感情が湧き上がってきます。
このアルバムは、ALFEEさんの音楽の多様性が凝縮されている一枚だと感じました。
ハードな曲でもアコースティックギターの音が心地よく響き、三人の異なる声が生み出すハーモニーとボーカルが、まさにALFEEさんの最大の武器だと改めて実感。
メンバーが影響を受けたであろう様々な音楽が、このアルバムに集結しているように思えます。
前作のハードプログレもALFEEさんらしかったけれど、このアルバムもまた、間違いなくALFEEさんなんです。
そして、私がこのアルバムを聴いて一番心に響いたのは、フォーク、ピアノバラード、ポップ・ロック、ハードロック、メタルなど、1曲として同じジャンルの曲はないのに、それが一枚のアルバムになると、まるで全てが組曲のように聞こえるんです。
ALFEEさんにしか作れなかったアルバム、という言葉に深く頷けます。
このアルバムには、ヒットさせようとする小細工は一切なく、彼らの純粋な音楽への情熱が精一杯、全面に出されているように感じました。
30年以上前に発売されたアルバムなのに、今聴いてもまったく古さを感じさせないどころか、その音楽の深みとメッセージ性に圧倒されます。
まるでタイムスリップしたかのような感覚で、当時のALFEEさんの音楽への情熱と、それを受け止めていたファンの方々の熱い想いを肌で感じることができました。
『FOR YOUR LOVE』は、ハードな曲から繊細なアコースティックナンバーまで、メロディーを重視しながらも多彩なアレンジが施されていて、聴きどころが本当に多いです。
特に圧巻だったのは、5曲目の「裏切りへの前奏曲(プレリュード)」。
ドラマチックな構成で、映画のエンディングテーマソングとしても採用されたというだけあって、その壮大さに心を奪われました。

ALFEEさんのファンになってまだ日は浅い私ですが、この『FOR YOUR LOVE』というアルバムを聴いて、彼らの音楽の奥深さ、そして進化し続けることの素晴らしさを改めて教えてもらったような気がします。
これはまさに、ALFEEさんの最高傑作の一つと言えるのではないでしょうか。
NEXT►【エピソード27】アルバムレビュー『安全地帯Ⅴ』安全地帯
ようやくALFEEさんのアルバムが1985年まできたので、久しぶりに安全地帯のアルバムレビューです。小学校6年生の時に、親に頼んでクリスマスプレゼントとして買ってもらった笑『安全地帯Ⅴ』。どの曲も大好きで思い出深いアルバムとなります。



















